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…3。





ブツブツ文句を言いながらも、コーヒーを無限に持ってくる横山先生の面倒見の良さはさながら菩薩のようですね。


当たり前のようにコーヒーを受け取った無限に溜め息をこぼした横山先生は、


「…後輩なんだよ。」

と苦々しい顔でボソリと俺に呟いてくる。




「……随分大変な後輩だったんでしょうね…。」

「おかげで色々と弱み握られてて…」


…心から同情します。


憐れみを含んだ俺の顔に小さく頷いた横山先生は、目だけで「お前も頑張れよ」なんて励ましてくれて、思わず深く頷き返してしまった。

そのうち被害者同盟とか結べそう。

まあ、まだ俺が受けた被害って言ったら、初日にキスされた事とイメチェンさせられた事と、クラスで交際宣言(?)されたくらいだけど…って、充分被害受けてんじゃん。


思い出せば思い出すほど迷惑な人だな、と溜め息混じりに視線を向けていると、当の本人は鼻歌混じりに携帯電話をいじっている。
ずいぶん楽しそうだが、メールでもしているんだろうか。


ふと、忘れていた…というより脳内から強制排除していた、この間のシャツ姿の男を思い出すと、そのまま忘れてれば良かったのにと苦い表情を浮かべた。



…昼間っから何してたんだか。
いや、眠そうな気怠い雰囲気は、朝までと言った方がいい気がする。


考えれば考えるほど、何となく胸の奥がモヤモヤしてくるのを、
「朝食べたパンとの相性が悪かったんだ」
と決め付けて、片肘を立てて頬杖をついたまま無限を眺めた。






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