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…12。






俺の言葉に押し黙った夏兄は納得してくれたんだろうか?



「夏兄…?」
『―…もし、…もしこれが…』
「え?」



小さ過ぎてちゃんと聞き取れなかった声は、すぐに「何でもないよ」とはぐらかされてしまった。

無限の名前が聞こえたように思ったのは、俺の気のせいだろうか。





『―…翔。断る気持ちはわかるよ?でもね、昨日連絡を受けた時の私の気持ちわかる?』

「……」

『本当に心臓が止まるかと思ったんだ。』

「…夏兄…」

『従兄なんだもん。心配くらいさせてよ。』



…そんな風に言われたら、何にも言えなくなっちゃうじゃん。



「……わかった…」



さすがの俺も、そこまで心配してくれてるのに「嫌」とは言えない。



「でも!もし朝比奈が行きたくないなら、無理矢理付き添わせたりはしないからね。」

『…うん。そうだね、強制はしないよ。
付き添おうが断ろうが課題の量を増やしたりはしない。約束する。
だから、朝比奈くんに訊いてみて。』

「うん…。心配してくれて、ありがと。」




夏兄との電話を切った俺は、とりあえず病院に必要なものを急いで鞄に詰め込むと部屋を出た。



「待たせちゃってごめんね?」

「…んなに待ってねぇよ。」



ソファーに座って待っていた朝比奈は、そうは言ってたけど絶対たくさん待っていたと思う。
いつからかはわからないけど、廊下でも待ってたし。


どうやら気を使わせまいとしているように見える朝比奈に微笑むと、


「…でね、」







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あきゅろす。
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