[携帯モード] [URL送信]
…15。





一瞬で静まり返った教室に、少し不安になって無限を見ると、

…?
なんでそんなにスッゴい楽しそうに笑ってんの?
企み顔にしか見えないんだけど。


しかも何故かみんな、無限と俺の間を忙しいくらいに視線で往復してないか?


「…もしかして無限の?」
「アイコンタクトしてたよな?」
「手ぇ、早すぎー。」
「でも、無限って特定作んないんじゃなかったっけ?」


…ハッ!
なんか勘違いされてる!


聞こえてきた言葉から、腐男子の俺は今の状況を理解した。


年上好きな俺。
視線の先は無限。
つまり、『無限×俺』って事?
しかも、『無限→←←←←俺』な状況?

不本意過ぎる!



「違っ!俺はノーマるぐっ、」


すぐに訂正しようとした俺は、迫ってきたものに唇を塞がれた。

…ちなみに、唇じゃなくて手のひらで、です。


壇上から降りてきた無限に口を抑えられ、耳元で「馬鹿、そのままにしとけ」と窘められて。

…そのままって、


「…そういう事だから、手は出すなよ?」



無限の言葉にシーンと静まり返った教室で、俺の腰に手を回した無限の顔が近付いてきて、


ペロリ。
「!!?」

耳たぶを舐められた俺は、本格的に石化した。


多分今の俺、物凄く間抜けだ。
だって指一本どころか瞬きすら出来そうにない。


再び壇上に戻った無限が平然と生徒に自己紹介をさせていく中、ひとり俺は、ステータス異常を引き起こし続け、


…誰か俺に金の針か万能薬を下さい。


気絶しなかったのは奇跡だと思う。
でも、おかげで生徒の名前は一人も覚えられなかった。
もちろん顔も、一人もだ。







[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!