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…14。




『ばか』


そんな俺を見て、壇上で小さく溜め息を吐いた無限の口がそう動いた。


…何、固まってんだよ、自分!


「ふ、副担の原田翔汰です!生物を教えます。よ、よろしく…」


慌てて口を開いて何とか声を絞り出すと、


…何とか言えた。言い切った!
どもったし、語尾は自信なさげで色々反省点はありそうだけど、とりあえずはクリアーしたと思う!うん!


ホッと息を吐いて口元を緩ませ、下がりがちな視線を上げた。


「!?」


するとそこにあったのは、てっきり前を向いていると思っていた生徒達の好奇な目で…


「可っ愛いー!!」
「副担?生徒じゃなくて?」
「やっばい、相手してくんねぇかな?」


「???」

聖徳太子でも無理なんじゃないかと思うくらい同時に放たれた言葉は、お粗末な俺の耳ではそこまでしか処理できなかった。


さながらBL的転校生状態。
まあ、変装とかはしてないから王道とかじゃない。…生徒でもないけど。

必要以上に輝いた若さ溢れる視線を浴びて、
…どうしよう。
どうすればいいかわかんない…。

縋る思いで無限を見ると、唇がゆっくりと動いた。


『練習しただろ』


…あ!


「…えっと、…ごめんな?年下には興味ないんだ。」


…だったと思う。

年上好みだと言えば、年下の高校生は手を出しづらいとかなんとか、そんな話をしていた事を思い出した。





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あきゅろす。
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