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…8。







声にならない悲鳴を上げて暴れ出した俺は、驚いた朝比奈に睨まれて動きを止めた。



「……暴れるな…」
「はい。決して暴れません。」



素直に頷いたのは睨まれて怖かったから、だけじゃない。
バランスを崩した朝比奈に頭から落とされそうになったからだ。

さすがに、この高さから落ちたら救護班のお世話になりそうだけど、今はあまり救護班である夏兄と顔をあわせたくない。
いくら俺でも、いつもと同じように接する事が出来ないかもしれないから…。



けど、
真っ正面に見える朝比奈の後ろを通り過ぎる景色が、明らかにいつもと違います!

せめて後頭部だったら良かったのに、しっかりバッチリ応援席に顔が見える状態でされたお姫様だっこに、顔が尋常じゃないほど熱くなっているのがわかる。

言うなれば、頭パーン!って感じ。
もう色々と俺の中でアウトだから!


あまりの恥ずかしさに、朝比奈のTシャツを掴むと顔を胸に擦り付けるように背けた。
出来るだけ顔を見せたくないからだったけど、よく考えれば逆効果だって何故わからないんだその時の自分!



キャーだか、うおぉぉだかわからない声があがり、何に対しての悲鳴なのかわからず驚いて顔を上げた。








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