…5。
もう一度これからの予定を確認すべく、職員用に配られた日程表を取り出すと、始業式の後半にかかれた『職員挨拶』の文字に、ぶるり、と身震いした。
…緊張する
なんせ、生徒数が多すぎる。
一クラス精々二十人から三十人といったところだが、それが三学年。各8クラス+1クラス。
少子化どこいった!と聞いてみたい。
ちなみに、
普通5クラス(A〜E組)
不良1クラス(F組)
芸能1クラス(G組)
芸術1クラス(H組)
特殊(全学年で)1クラス(I組)らしい。
もう一度、ぶるりと体を揺らすとそっと職員室を出た。
…本日、何度目かになるお手洗いの為に。
◆ ◆ ◆
ドンっ!
「あっ!ごめんなさ…」
トイレに向かう途中の事だ。
教師のクセに小走りなっていた俺は、曲がり角で顔面をぶつけてよろめいた。
「どこ見てんだ…」
押しつぶされた鼻を押さえて顔を上げると、ギロと切れ長の目で睨み付けてきたのは、どこから見ても不良さん。
…ベタベタな展開に眩暈がしそうです。
「ごごごごごめんんんなさ…」
「どんだけどもってんだよ!」
だってめちゃくちゃ怖いんだ!
夕焼け色の髪に金の眼。
多分カラコン!
ちょいツリ目で顎にセクシーほくろを付けた不良(仮)に凄まれて、さっきまで催していた尿意がどこかに吹き飛ぶくらいに!
挙動不審にオロオロと視線を泳がす俺をジッと見ていた不良(仮)が、不意にふわりと笑みを浮かべた。
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