…6。
「…?…えっと…?」
なんだろう。
これは、握手を求められているのか?
手を差し出すべきなのかどうか迷いながら、それでもそろそろと右手を差し出すと、
―グイッ
「!?」
右手を引っ張られたかと思うと、後頭部を鷲掴みされて無理矢理上を向かされた。
……はぁあ!?!?
なななななにっ!?
グイッと掴まれた頭は髪の毛を巻き込んで地味に痛い。
驚きと痛みで涙目になった俺にさっきとは違って意地悪そうな歪んだ笑みを向けた一年生は、そのまま俺の唇にガブリと噛み付いてきた。
……………………は?
はぁぁぁあああ!?!??
驚いて逃げようと後ずさると、逃すまいと一年生も付いて来る。
そのまま準備室に雪崩れ込むように尻餅をついた俺は、覆い被さるように付いてきた一年生に押し倒される形になってしまった。
…ちょ、ちょっとヤバい!ヤバいよ!ヤバすぎるよ!!
のし掛かる重さに恐怖を感じながら、必死にもがくがなかなか離れてくれない。
掴まれた右手は外れないし、空いた左手で押してみても全然駄目。どうしよう!
とりあえず唇だけでも離したくて顔を背けると、後頭部に回されていた手で、ガッと目と鼻を押さえ込まれた。
「んふっ!んんっ!」
…く、苦しいっ!
息が、息が出来ない…!
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