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…1。





「…っと、最悪…」



本当にツイてない。
なんでこんな大切な日に、こんな思いをしなきゃならないんだろう…。


溜め息混じりに頭を押さえて、うっかり滲む涙が情けない。




俺は今、非常に落ち込んでいる。

別に通りすがりの不良に絡まれたとか、そういう事じゃないけど、それより地味にダメージがデカかったのは確かだ。

ちょいちょい、と明るい色をした短すぎる前髪を引っ張ってみたが、延びるわけ無い。わかってる。


…あーあ、入学式なのに。
教職に就いて初めての。
一生に一度きりの。



事の始まりは職員寮の隣室兼、俺の世話係になっている無限先生の一言だった。



「その髪型って、より童顔を強調してるよな。」
「!!」


なんというか、ちょーショック。
だって、大人っぽさを意識してオールバックに固めてたのだ。

それをあっさり「似合わない」と切られ(自覚はあった)、あまつさえ「童顔を強調」だと!?



「…じゃあ、どんなのなら童顔が目立たないんですか?」



勿論、顔合わせの日に突然ちゅーをかまされてから、俺は無限を警戒している。


けど、なにぶん何をするにも関わりがある間柄。
寮の他に職員室の机だって隣だ。
慣れない生活と連日の新学期に向けての準備で、どうしても無限を頼ってしまうのは当たり前の事で…。



そんな中、少し…ほんの少しだが、不本意ながら信頼を向け始めた相手からのポツリとこぼされた言葉は、どうしようもなく俺の胸に突き刺さったんだ。







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