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…1。





突然だが、この学園ではテスト期間が年に八回ある。

一学期と二学期は前期・中期・学期末の三回ずつで、三学期は、中期と学年末の二回だ。







あっという間に春も終わりに近付き、初めて尽くしの教師生活もやっと慣れてきた四月の終わり。

俺は、廊下を駆け抜けていた。



「っ、はぁ、はぁ、」




思えば、四月は緩やかに過ぎた。

行事と言えば今現在行われている新歓ぐらいで、生徒会主催の為、俺がする事なんて微々たるもの。
むしろ殆ど無かったに等しい。


新歓と言って思い付くのはよくある王道鬼ごっこだったが、この本堂では全然違うものだった。

主に部活勧誘の為のレクリエーションで、ちょっとした文化祭みたいで。
各部活動が競って自分の部活に関連する店や展示物で勧誘する。

それを新入生と帰宅部が回って気になる部活をピックアップと上級生との交流をはかるというもの。



例えば、野球部なら打ち返した速度によって景品が貰えるバッティングセンター。

バスケ部なら十本中何本シュートが入るかを競うスリーポイントシュート。

美術部は似顔絵にパソ部では自作のゲームなんてのもある。


各部活動の顧問はそれを監督したりするが、生憎俺は顧問を持っていない。
それじゃあ、生徒に混じって回ろうか、なんて思ってたのに世の中そんなに上手くいかないものだ。


そう、前期テストが迫っているのです。



まさにそれは、テスト問題地獄でした。






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