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沢山食べた後、一番風呂も頂いてしまった。
スッキリして貸してくれた服を着てからリビングに戻ると露影さんにこっちこっちとソファをぽんぽんされた。
リビングはテレビとそれを囲うように二人掛のソファが二つあった。露影さんとは別のソファに座ったくーたんはその上に体育座りをしてこっちをじーっと見ている。
「これからぁ、大切な大切な話するからぁ」
それに従い露影さんの方にソファに座ろうとしたら服の裾をがっしりくーたんに捕まれた。
「?」
「……こっち」
「きゃぁー!くーたんのわがままぁ!久しぶりすぎて彰感激ぃー!!」
グッと引っ張られてソファにボスッと座らされる。するとくーたんは俺の体を自身の足でがっしり挟んで俺に向かうように座った。つまり抱きつかれたということだ。
それにしても露影さん五月蝿い。
「ずるい!けどまぁ、くーたんのわがままも見れたし良しとしよう!」
くーたんは頭をグリグリと擦り寄せてくる。うん、小動物みたいで物凄く可愛い。
「ちゃんと俺の話聞いてねぇ?今!【ROLL】が大変な目に遭っています!」
「【ROLL】が?」
「そう!神庭崎徹がそこで暴れまくってぇ組織【ROLL】は壊滅状態です!」
「と、徹が…?」
その名前に明らかに動揺してしまう。
「ねぇ彩、彩がぁ神庭崎 徹から離れた理由は神庭崎 徹にとって余計なお世話だよぉ?」
「……そんなはず、ない」
「うーん……でもぉそれは確かだよぉ?だって、彩を襲った【ROLL】はある人に依頼されたからなんだぁ。だからぁ神庭崎 徹は今そこを潰そうとしてるんだよぉ?」
それは…つまり……
「つまりぃ組織【ROLL】が潰れるのは彩のせいってことになるねぇ」
「なっ……」
それを最後に沈黙が流れた。
【ROLL】が潰れるのは俺のせい。それが俺を後悔に奮い立たせた。
漸く露影さんが口を開いた。
「彩にしかこれは止められないよ?彩が神庭崎 徹の側に行けばぁ神庭崎 徹は救われるよぉ?」
くーたんの俺の体に回す腕の力が強くなった。
「俺……俺、とおるに、」
振り絞るようにしか声が出ない。涙腺が崩れそうで瞼をぎゅっと閉じた。
「神庭崎 徹んとこにぃ、連れたったあげる」
「……手伝う」
薄く開いた双眸が見たふたりは本心で言っているように見えた。
「彩の味方だからぁ、彩の為になんでもしたげるよぉ?俺等は」
なぜ、彼らがそんなに俺に優しいのか、そんな疑問は感謝の気持ちで潰れてしまった。
「……あり、がとう……」
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