4 「まず、香奈はどうやってここを出ようと思ってるの? 誰の結界か知らないけど、3人とも霊力は…」 「私を誰だと思ってるの? これくらいは簡単! …そうだ、後で霊力の特訓、一緒にしない?」 「へ?」 「きっと、奈穂は何かが原因で発揮できないだけよ。 それさえ見つかれば、きっと奈穂も強くなれる!」 「…ふ〜ん、じゃ、よろしく!」 さて、香奈が結界の術を壊さないように、人が通るのに充分なスペースを作る。 やはり2人はまだまだ子供なだけあって、中に入って暫く一緒に遊んでいた。 それぞれ1人でしか遊ばなかったので、新鮮で楽しいものだった。 「香奈も手鞠を持ってるんでしょ?」 「ほら、これだよー」 「あ、私はこれ…お揃いだね!」 えへへーと笑い合う。 先程までの事が嘘のようだ。 「あー、香奈もこの本で勉強してるの?」 「うん、奈穂と同じ本で勉強してるのよー」 「あ、この問題分からないんだった…」 「それ? ここでこうして…はい、これが答え!」 「すごーい」 「でも、この問題分からない…」 「それは…はい、これで答え!」 「奈穂も算数嫌い?」 「香奈も?」 「「やっぱり、双子だもんね〜!」」 . [*前へ][次へ#] |