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「元帥〜。
まず、今はどこへ向かっているんですか?」
「さぁ、何処にしようね?」
「って、行き先決めてないのかよ!」
「神田は怒りっぽい性格してると、損するぞ」
あれから馬車に乗り込んで、かれこれ数時間は経っている。
「ゆったりできて良いんですけどね〜…」
「1番近くて宿がある町に行って、とは言ってあるよ」
「野宿はしなくて良いんですか!?
良かった〜」
「そこ以外も気にしろよ、周りの風景とか!」
「うん、ちょっと寂れてるけど…宿があるなら…」
「怪し過ぎるだろ!!
おい、本当にこの先で合ってるんだろうな!?」
ユウが話しかけたが、運転手の返事が無い。
「あの、疲れたなら休んでも良いんですよ?」
「待て。
そいつ、何だかおかしいぞ」
クククッ…という声と共に、目の前の人がアクマになった。
「あれ〜人選ミスだったかな?」
「…師匠は人を信じる前に、(いっその事)疑ってください」
「こいつ、俺らをここにおびき寄せる気だったんだな!」
土の中から出て来たアクマ達が、私達を囲んでいた。
すぐさま発動するが、レベル2は大して強くもない。
「…呆気ないな」
確かに、ユウの言う通り、あまりにも事がはかどりすぎる。
これから後に、何かが待ち構えていそうで怖い…。
「香奈!!」
「え…?」
足元が光ったと思えば、急に何かの力で引きずり込まれてしまう!
「た、すけ…」
少しでも引きずり込まれるのが遅れるように、手をいっぱいに伸ばす。
最後に温かな感触が手に伝わり、この世界から離れてしまった―――。
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