[携帯モード] [URL送信]




「じゃあ、最後に、一言言わせて…」

香奈の言葉を聞こうと、辺りがシン…となる。

「今まで、帰って来なくてごめんなさい。
死んだ振りをしていて、ごめんなさい。
皆を騙していて、ごめんなさい…。
それでも、またここにいたくて、戻ってきちゃいました。
またよろしくお願いします」

頭を下げ、これで私の話は終わりだと告げる。
肩に誰かが手をポン、と置いたのがわかり、顔をそっと上げる。

「そんな事、皆は気にしてないない!」

ジョミー…タップ…

「香奈を知らない奴らは仲間が増えるって喜んでんだ。
知ってた奴らも、心の中では生きてるって信じてたしよ」

リーバー班長…

「神田から連絡があって、皆と喜んでたのよ。
…数年前に死んだとされた時…表面上は理解しようとしてたけど、内面的にはこの日をずっと待ってたんだから!」

リナリー…


「さぁ、今日は香奈も飲み明かそうぜ!」

「もって何よ!
今日は私が主役じゃないの?」

「アハハハハ!!」

「香奈はもう酒を飲める歳になったよね?」

「あ、18歳おめでとーっ!!」

「今日が誕生日なわけじゃないから!」

「よっしゃ、乾杯するぞ〜!」

ドンチャン騒いでいたら、リナリーがどこかから戻って来た。

「リナリー、どこに行ってたの?」

「アレン君の様子を見に。
ついさっき目を覚まして、兄さんと一緒にイノセンスをヘブラスカの所に持って行ってるの」

「ふぅ〜ん。
じゃあ、遅れて来るの?
アレンもリナリーも、コーラか烏龍茶だけどね」

「そうね、歳の差を感じるわ…」

「まぁまぁ、あと2年もすればリナリーも飲めるから。
取りあえず、今日は盛り上がっていこう!」

皆と騒いでいる内に、3年間の溝はすぐに埋まっていった。





取り戻した、

私の居場所。



記憶と同じ、

私の大切な

宝物。



もう2度と

手放さない。



何に代えても、

守ってみせる。



私の家族―――。



BookTopへ戻る

[*前へ]

6/6ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!