6 「じゃあ、最後に、一言言わせて…」 香奈の言葉を聞こうと、辺りがシン…となる。 「今まで、帰って来なくてごめんなさい。 死んだ振りをしていて、ごめんなさい。 皆を騙していて、ごめんなさい…。 それでも、またここにいたくて、戻ってきちゃいました。 またよろしくお願いします」 頭を下げ、これで私の話は終わりだと告げる。 肩に誰かが手をポン、と置いたのがわかり、顔をそっと上げる。 「そんな事、皆は気にしてないない!」 ジョミー…タップ… 「香奈を知らない奴らは仲間が増えるって喜んでんだ。 知ってた奴らも、心の中では生きてるって信じてたしよ」 リーバー班長… 「神田から連絡があって、皆と喜んでたのよ。 …数年前に死んだとされた時…表面上は理解しようとしてたけど、内面的にはこの日をずっと待ってたんだから!」 リナリー… 「さぁ、今日は香奈も飲み明かそうぜ!」 「もって何よ! 今日は私が主役じゃないの?」 「アハハハハ!!」 「香奈はもう酒を飲める歳になったよね?」 「あ、18歳おめでとーっ!!」 「今日が誕生日なわけじゃないから!」 「よっしゃ、乾杯するぞ〜!」 ドンチャン騒いでいたら、リナリーがどこかから戻って来た。 「リナリー、どこに行ってたの?」 「アレン君の様子を見に。 ついさっき目を覚まして、兄さんと一緒にイノセンスをヘブラスカの所に持って行ってるの」 「ふぅ〜ん。 じゃあ、遅れて来るの? アレンもリナリーも、コーラか烏龍茶だけどね」 「そうね、歳の差を感じるわ…」 「まぁまぁ、あと2年もすればリナリーも飲めるから。 取りあえず、今日は盛り上がっていこう!」 皆と騒いでいる内に、3年間の溝はすぐに埋まっていった。 取り戻した、 私の居場所。 記憶と同じ、 私の大切な 宝物。 もう2度と 手放さない。 何に代えても、 守ってみせる。 私の家族―――。 ←BookTopへ戻る [*前へ] |