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次の日。


香奈が駄々をこねたせいで、もう一泊する事になった二人。
また市場を見て回った後、香奈は宿の部屋に着くなり寝てしまった。

そして、フッと目を覚まして外を見ると、日没後の暗い闇が広がっていた。

オーナーのおじさんにユウの部屋を教えてもらって行ってみるが、やはりいない。
オーナーの奥さんの情報によると、外出したようだ。

「全く、何やってるのよ〜?
こんなに暗くなったっていうのに。
それにしても…」

宿内をキョロキョロと見渡す。
この町で一番の人気らしい。

「…職権乱用じゃない?
こんなに豪華じゃなくても良かったのに」

エクソシストは宿代がタダになるから。

そのまま、宿のフロアで待っていると、雪まみれのユウが戻って来た。

「もう、何やってたの!?
そんなになって…風邪ひくよ?」

すると、上着のポケットから何かを取り出した。

「……これ…」

「?…何?」

受け取ると、それは手の平大の細長い箱で、蓋を開けると―――

「…これ、買ってきたの?」

「あぁ」

「店、もう閉まってなかった?」

「店主が店じまいしちまってて本気で焦った…。
だから買うまでに時間が掛かっちまった」

「…………」

「?…どうした?」

ユウが訝しげな顔をするが、香奈にいきなり抱き着かれて、ビックリする。

「ありがとう!!
すっごい嬉しい!!」

「…あ、あぁ、どうも」

オーバーリアクションだと思い驚きつつも、平静を取り戻すユウ。
抱き着いて来た香奈の肩を押し、離れさせる。
いつもとは違う雰囲気。
香奈は視線が合うと少し心臓が高鳴る。

「なぁ、オレ達、付き合わないか?」

「え…?…っと…。
お、OK?」

驚きながらも、なんとか返事が出来た。
すると、急にキスをしようとしてきて!

「…ちょっ、待った!」

「…何だよ?」

「風邪が移るから!
まっ、また後で!」

「香奈、風邪引いてたのか!?」

「え?え〜と…
ユウだよ!
鼻声じゃん、休んだ方がいいよ。
んじゃ、オヤスミ!!」

そして、香奈はドタドタと走って行ってしまった。

「…まったくもって元気なんだけど?
鼻声じゃねぇし」

ちっ、とか言いながら、神田は夕食を食べに行った。

一方の香奈は、今度は朝まで寝てしまった。
ぐっすりと眠れずに。



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あきゅろす。
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