[携帯モード] [URL送信]




「香奈のお見舞いに来たのですが…」

入って来たのは、ティエドール元帥だった。

「元帥!!」

「香奈ちゃん、元気そうで何よりだ。
どうかね?調子は」

「はい、もうピンピンしてますよ!!
ご心配をかけて、すいませんでした…」

「ああ、いいから。
今回のは血の量が多かったから、仕方が無いよ」

「…あの子の体に付いてた血…。
どこか怪我したんですか…?」

「あぁ、色々とあってね。
大丈夫、彼は怪我をしてはいないよ」

そうか、と安心したが、だとしたらあの血は別の人の血…?
大量過ぎる血の量に、少し身震いする―――。

「ちょっと性格上で冷たい所があるだけだと思うよ?」

私の心を見透かしたように元帥が言った。

「はい、そうですよね!」

「あぁ、香奈が彼を笑顔にしてあげられれば良いのにね」

「はいっ!
頑張りますっ!!」





12歳の私は

決めたんだった。



彼の

失われた笑顔を

取り戻してみせる

…と。



.

[*前へ][次へ#]

6/7ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!