6
「香奈のお見舞いに来たのですが…」
入って来たのは、ティエドール元帥だった。
「元帥!!」
「香奈ちゃん、元気そうで何よりだ。
どうかね?調子は」
「はい、もうピンピンしてますよ!!
ご心配をかけて、すいませんでした…」
「ああ、いいから。
今回のは血の量が多かったから、仕方が無いよ」
「…あの子の体に付いてた血…。
どこか怪我したんですか…?」
「あぁ、色々とあってね。
大丈夫、彼は怪我をしてはいないよ」
そうか、と安心したが、だとしたらあの血は別の人の血…?
大量過ぎる血の量に、少し身震いする―――。
「ちょっと性格上で冷たい所があるだけだと思うよ?」
私の心を見透かしたように元帥が言った。
「はい、そうですよね!」
「あぁ、香奈が彼を笑顔にしてあげられれば良いのにね」
「はいっ!
頑張りますっ!!」
12歳の私は
決めたんだった。
彼の
失われた笑顔を
取り戻してみせる
…と。
.
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!