3 「奈穂…!? 何で、額に聖痕があるんですか…? 何で、肌が黒く…」 「私は、"幻"のメモリーを継ぐノア。 …今日は自己紹介が多くて大変だな…」 アレンの顔が、驚きの表情に変わる。 「嘘…でしょう?」 「本当の事。 なんだったらもう一度言おうか? 私はノアの一族、"幻"の…」 「もういい! …聞きたくない。 ずっと、リーバーさんやコムイさんの言ってる事に耳を貸さないで、奈穂を信じてたんですよ…!」 「黙れ」 冷たい視線をアレンに流す。 「さっきから似たような事を何度も何度も言われて…。 正直言って、うるさいどころか、うざい」 「奈穂…!」 縋るような目で、私が今にも「嘘だよ」と笑顔で言うのを待っているかのようなアレン。 「千年公がお待ちなの。 一緒に来てくれる? …まぁこの状況で、生きて連れていけるか心配だけど」 レベル3のアクマが大量にアレンに襲い掛かる。 大剣で次々と切っていくが、キリがない。 ついにアレンは、ルル=ベルを肩に担いでいるアクマによって捕まえられた。 気を失った状態で。 アレンと一緒に来たブックマンはというと、壁のように石化されている。 「たった2人で私達が倒せるとでも思ったか」 「まぁまぁ。 もういいから、こんな所早く出ようよ〜」 「結局、私達が手を下すまでもなかったね」 ノア3人が卵の元に集まり、方舟の扉の中に入っていく。 卵が少しずつ入っていき、私達の視界からは研究所が見えなくなっていく。 すると、その時。 私達の周りにタリズマンが張られ、扉に入る速度が落ちてしまった。 壁のように石化されたブックマンにも、タリズマンが。 「お願い…アレン、起きてぇーっ!!」 そしてジョニーの声が、アレンを起こさせた。 「ありがとう、ジョニー…」 起きたアレンは大剣を振るい、自身を捕まえていたアクマから離れて逃げていってしまう。 すると、方舟の扉が新たに開き、中からは元帥4人とミランダ、マリが来た。 ミランダの能力によって、卵の時間が吸収され、元あった場所へと戻ってしまった。 私達は一度に2つ失い、仕方が無いので扉の中へ潜伏することにした。 . [*前へ][次へ#] |