2 そこには、服装の変わったルル=ベルがいた。 変装をして、それを解いたところかな。 「すみません、こんなに遅れて…。 今はどんな状況?」 「第5研究所を乗っ取った。 主人の大事な卵も無事だ…」 卵に頬を付けて嬉しそうな顔をする。 「で、こいつ等は何をやっているわけ?」 お兄ちゃんが聞いたのは、卵より離れた所で行われている事。 顔が骸骨でむさ苦しい服を来た者達が、横たえられた科学班員達の頭を調べているのだ。 殆どは額に大きく×と書かれて頭を潰されているが、なかには"上出来"なのもあるらしく、彼等と同じ姿にされている。 「スカルが少なくなったんで、増やしているんだ」 「ふ〜ん?」 「奈穂…何で…」 私がここに来た時から、科学班員達は驚きの顔をしていた。 「別に? 私はノアの一族で"幻"のメモリーを継ぐノアだから」 「う…嘘だろ…!」 「何で…仲間だろ!?」 「よく平気でいられるな…!!」 「うるさい」 私に声を掛けてきた奴の1人の頭を踏む。 「黙ってろ、人間のクズども」 足を捻っただけで首が曲がり、すぐに声を出せなくなる。 これだから弱い人間は嫌いなんだ。 「ヤメロォッ!!」 いきなり声を掛けられたので声の主を見遣ると、リーバー班長がいた。 銃口は私に向いている。 「奈穂…。 室長ともしもの話で話してたが…本当にノアになっちまったのかよ…!」 「そうだけど、何か?」 「皆で…ずっと探してたんだぞ…!」 「無駄な事をご苦労様」 私達が話しているのをよそに、スカルは仲間を増やしていく。 「!! オレの部下達に触るんじゃねぇ!」 ――ドンッ 「アイタ☆」 リーバー班長が放った銃弾は、全く効き目がないようだ。 そりゃそうだ、千年公の手下にそんな弱いのはいないから。 「そいつらに手ェ出す前に、オレの脳みそをくれてやるよ!」 「班長!」 「やめてください!」 「そんな…!」 「ほう。 お前さんの脳みそは、ちっとはマシらしい」 悲痛な声をあげる科学班員を退け、スカルがリーバー班長の脳に指をあて…。 爆発が起き、砂埃が巻き起こった。 「お前ら、許さないぞ…!」 …アレンの登場か。 . [*前へ][次へ#] |