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「隼人お兄ちゃん…」

「何だい、奈穂?
話したくなった?」

「この露って…」

「(露!?
露について何を聞かれるの!?)
…何だい?」

「ん…」

「(何だろう、何だろう…)」

「…やっぱりいいや!」

「(って、えーっ!?)
出かかったんなら、最後まで言ったらどう?」

「うん、やっぱり良いの!」

心が冷たくなっていくようだった。
心の中で…ユウへの愛を押し殺すのに、この場所は最適らしい。
木々の間から滴ってくる雫が私の顔を濡らし、愛が冷めようとしていた。




―――でも、その時の私は思いもよらなかった。

凍った露が、どんなに脆く儚いのか…。
また、どんなに溶けやすいかを…。

まだ、心を殺せたと信じていた…。





「じゃあそろそろ戻らないと、千年公に怒られるよ?」

「あ、本当!」

もと来た扉をくぐり、ギリギリで朝食に間に合った。



食事中。
千年公が何かを思い出したかのように、ポンッと手を打った。

「そうでした、奈穂には、仕事をしてもらおうと思ってマスv」

「!?
何で、入ったばかりなのに!!」

隼人お兄ちゃんがバッと立って抗議する。
私は、別に構わないよ。

「…どんな仕事でしょうか?」

「ルル=ベルが卵を取り戻しに行くので、一緒についていってくださいv
そして、アレン・ウォーカーを連れて来てくださいv」

「はい、分かりました」

「千年公、じゃあ僕も助っ人として同行してもいい?」

「別に構いませんよv
では、3人で頑張って来て下さいネv」

…確かに早い。
ノアに覚醒して一週間も経ってないのに、もうこんな大仕事?
千年公は私を疑っているのかもしれない。
だから、試すためにも今回は私を…。

…絶対に完遂して、千年公の信頼を得てやる!



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あきゅろす。
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