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その後、私に与えられた部屋に案内された。
シャワーを浴び、横になる。
明かりを消すと、真っ暗になった初めての部屋に少しだけ恐怖心を覚える。
…早く、朝になって…。

ノアとして覚醒して初めて自分のいるべき所で休んだはずのに、緊張の為かよく眠れなかった。





「奈穂、おっはよう!」

「…隼人お兄ちゃん」

扉を思い切り開いて入って来たのは、紛れも無くお兄ちゃんだった。

「ん?
何か変な顔。
心配事とかあったら、いつでも言ってね」

「あの…さ、新しい方舟って、外界には通じてないの?」

「方舟なんだから、何処にでも繋げるよ?
それがどうかした?」

お兄ちゃんったら、本当に心配そうな顔をしてる。
そんなに深刻な悩みでもないのに。

「ううん、何でもないよ。
ただ、外の空気も吸いたいな、って思って。
ほら、ここって窓1つ無いじゃない」

「それもそうだな…。
よし、じゃあ朝食は外で食べても良いか、千年公に聞きに行ってみよう!」

意気揚々と私の手を引いて走り出すお兄ちゃん。
なんか、幼子のようだというか、昔に戻ったみたい。
檻の中で、私と遊んでくれた時みたいに…。

千年公に聞いた結果はもちろんNOだったが、朝食までの空き時間内での外出を勧められた。

「オススメの場所がありマスv
初めての場所で気が滅入っているなら、そこで休むといいでしょうv」

朝食には遅れずに、と見送られた。

「食事の時だけは、皆が集まるだろ?
だからその時間が千年公自身は好きで、大切にしているんだ。
大事な大事な、『家族』だからな」

家族、か…。

そして私達は、勧められた場所へ続いている扉を開いた。



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