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抗いし定め

「よければ、妹達に記憶置換してくれないか?」
「……何故。」
「こいつらは無関係だ、オレ一人が背負えば良いから。」
「……。」

 何か深い理由があるのだとルキアは悟り、ライターのような形をしたそれを取り出し、黒髪の少女、夏梨にそれを使い、続いて寝転んでいる男、一心、最後に一護が抱く茶色い髪の少女、遊子に記換神機を使った。

「サンキュウ、死神。」
「死神じゃない、朽木ルキアだ。」
「……。」

 一護は一瞬痛みを堪えるようなそんな顔をしたが、すぐに、笑みを浮かべなおした。

「ああ、よろしくな、ルキア。」
「……。」

 ルキアは何か言いたそうだが、一護はそれに気付いていないのか、それとも気付いていてワザと無視しているのか分からないが、取り敢えず、遊子の傷を鬼道で治し始めた。

「貴様、そこまで出来るのか…。」
「鬼道は苦手だけどな。」

 苦笑を浮かべ、一護は時間をかけ、遊子の傷を治し、その間にルキアは夏梨と一心の傷を癒した。

「……そこまで出来れば、十分だろう。」
「オレはそうは思えない、自分の実力を決め付ければ、そこまでしか伸びないからな、オレは自分の限界を決めたくないんだ。」
「一護…。」
「ルキア、泊まる場所が決まっていなければオレの家に来ないか?出鱈目な理由をつければ大丈夫だ。」
「貴様…自分が言っている意味を理解しているのか?」
「ああ、監視として側にいれば良い、どうせ、お前はオレを危険分子として見ているだろう……。」
「まさかっ!」

 ルキアは純粋に驚き、一護はそんなルキアを懐かしそうに目を眇めた。

「お前はそうじゃないかもしれないが、尸魂界は黙っていない、いや、四十六室が黙っていないだろう。」
「貴様…何処までこちらの事を知っているんだ。」

 少々警戒するルキアに一護は寂しげな顔をした。

「知っている事は少ないさ……、まだまだ、知らない事が多かったからな……。」

 まるで、過去を思い出すようなそんな顔にルキアは疑問を持つが、黙っていた。

「ルキア、よろしくな。」
「……よろしく。」

 差し伸ばされた手にルキアは応じた、そして、不思議と彼女を守りたいと、そんな気持ちを抱いたのだった。

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あきゅろす。
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