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おれを嫌いになってくれ。
08
生徒会を落としている風間だからこそ、縁司まで風間に盲目になっては困ると、そういうことなのだ。

ほかに意味合いなどあるはずがない。

縁司は口元で笑うと、挑発するように顎をそらせた。

「どうだと思う?まあなんにせよ、真相は教えてあげないけどね」
「縁司、質問に答えろ。本音を言え」

すでに遠野から幾度も告げられた言葉だ。
しかし何度言われようとも、真実など口にできるわけがない。
そうするには、一年前のことから話さなければならないから。

「俺はいつだって本音だよ。さあ、もう寮に帰らないと。消灯の時間だ」

嫌味ったらしく、縁司は警告してやる。

それでも緩まない腕の戒めに、獰猛な光を瞳に込めて遠野を見上げた。

「まさか風紀委員長さんが、点呼に遅刻させるつもり?」
「ちげえよ、俺は…」
「だったら、やるべきことは一つだろう?」

もっともらしく言い放ち、視線で掴まれたままの腕を示す。

遠野が鋭く舌を打った。

乱暴に放される腕。

(寒い―…)

熱い体温が消え、その部分だけが急に冷えてしまったような感覚に陥る。

「いつまでも、そうやって逃げていられると思うなよ」
「…おやすみ、遠野」

縁司は背を向け、迷うことなく足を動かす。
階段をおりるまで遠野の視線が追いかけてきているのがわかり、泣きたくなった。


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あきゅろす。
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