・西野コンビ中一編2 シンちゃんとは隣のクラスだった。扉のところで別れて、俺は指定の席につく。 その途端に廊下からシンちゃんの声が聞こえた。 「うるせぇー、バーカ! 先公の言うことなんざ聞くかよ!」 廊下をシンちゃんと先生が駆け抜けて行く。 初日から目立ってるなぁ。さすがシンちゃんだね。 「キューちゃん。入学式ン時、すごい頭のヤツいただろ。見たか?」 「見た見た! 真っ白だった!」 「俺より目立ってるのは気に喰わないな。明日、名前調べて果たし状を叩き付ける」 「果たし状! 何かすごい!」 その晩、俺は母さんに髪の毛を染めたいとねだった。 俺の母さんはシンちゃんのお母さんと仲がいい。今朝のシンちゃんの話をどうやら聞いていたらしく、苦笑しながらも「ママのでいいかな?」と茶色のヘアカラーで染めてくれた。 「やい、芹沢! テメェは何だか気に喰わねぇ! ちょっと面貸せや!」 「…………」 西山に呼び止められた白い頭の男、芹沢がめんどくさそうに振り返った。 「俺は西山! こっちは久野、立会人だ」 「どうも、キューちゃんです」 「でもって、これが果たし状! 勝負だ!」 俺とシンちゃんは二人仲良く地面に転がっていた。俺もついでに芹沢に殴られた。 「なっははは、アイツ強いねー」 「くっそー、打倒芹沢だな!」 空に拳を突き上げて、そんな誓いを立てたシンちゃん。さすが、男らしいね! *** 馬鹿な子が好きです。 西山「馬鹿ってゆーな!」 久野「最近殴られてなかったのになー」 (2011.10.16拍手) [*prev][next#] [戻る] |