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違う過去 11
 結局、今回は俺の意向を尊重し、表沙汰にしない方向で相手校と交渉することになった。

 翌朝、アザだらけの俺の姿を見たクラスメイトは驚いたけれど、階段から落ちた、というベタな言い訳を疑う人はいなかった。

 小山内も、今回の一件は腐仲間の女子にも秘密にしてくれているらしい。

「悪い子たちじゃないんだけど、ちょっぴり口が軽いから」

 と、苦笑していた。



 1学期の最終日、夏休み期間中のサッカーの練習スケジュールを小山内に(半ば無理矢理)決められ、ため息をつきながら家路についた。

「そんなに嫌かよ、サッカー。勉強よかよっぽど楽じゃねーか」

「キミの場合はな! 運動が苦手なのもあるが、個人競技ではない分、みんなに迷惑がかかってしまうのがつらいな」

「ごちゃごちゃ言うようなヤツはブン殴ればいいんだよ」

「その明快な思考回路は多少羨ましくもあるが、文明化している俺には無理だ」

「また小難しいコトを言いやがるな」

 口を尖らせる芹沢のポケットの中から着信音が聞こえた。どうやらメールらしい。

「西山……? 誰だ?」

「……キミの中学時代の知人の西野君だ」

「ああ」

 頭をポリポリかきながらメールを開いた芹沢の表情が曇った。

「ヒチョー? とぶとり?」

「……どうかしたか?」

 俺の言葉に芹沢がメール画面を見せた。


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From 西山信
Subject 飛鳥って知ってる?
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同じ学校の飛鳥って奴に、
芹沢の話聞かれたんだけど。
何かやったのか?
林とつるんでるのも見た。
気をつけろ。
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あきゅろす。
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