同じ道、同じ言葉 26
ケーキも料理も絶品で、大満足だった。
「ではでは、お楽しみのプレゼントの時間です!」
食事中に、小山内が満面の笑みで渡してきた包み。
「……おい」
中から出てきたのは、膝上までしかないチャイナドレス。
「さすが小山内先輩、ナイスです! 太田先輩、こちらもどうぞ!」
「嫌な予感しかしないが……」
ピンク色のナース服だった。
「ささ、どうぞ遠慮無くナマ着替えしてください!」
「……セバスチャン」
「つまみ出せばいいのか?」
「わぁー、タンマタンマ、冗談ですぅぅ」
慌てる瀬名を見て、笑いながら皆慈も包みを渡してきた。
開けてみると、ベージュ系のチェックのマフラーだった。
「薄手だから、使いやすいだろ」
「わあ、お洒落だな。ありがとう。俺なんかに似合うかどうかが心配だが……」
心配になってそう言うと、皆慈は笑いながら俺の頭をくしゃりと撫でた。
「飛鳥サンからのプレゼントは何ですか?」
「ケーキ持ってきただろーが」
「あ、そうでした!」
瀬名と飛鳥の会話を聞いていた小山内は、一瞬何か考え込むような表情をした。はて。
「ついで、と言ってはなんだが、皆慈にも……はい」
俺が渡したのは、皆慈の好きなショップのTシャツだ。
「今時期にTシャツかよ。何だ?」
「まぁ、買ったのは春だったからなぁ。来年の春に渡してもいいかと思っていたのだが、せっかくお誕生会など開いてもらったからな」
「……え。じゃあ、これ」
「渡し損ねてた誕生日プレゼントだ。半年遅れだが、誕生日おめでとう。来年はちゃんと祝おう」
小山内と瀬名は顔を見合わせると、「ハッピバースデートゥーユー♪」と歌い出した。飛鳥も笑いながら、余っていたケーキに再びろうそくを1本差して火をつけた。
赤く染まった顔をしばらく腕で隠していた皆慈だったが、深呼吸をひとつすると、ようやく炎をフッと吹き消した。
[*prev][next#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!