同じ道、同じ言葉 20 「なあ、こっちで遊んでていいのか?」 すっかり写真撮影会になってしまった横で、西山がパソコンに繋いであるコントローラーを握りしめていた。 「おー」 芹沢が適当に返事をすると、西山は久野を誘って遊び始めた。 「お前も暇ならちょっとつき合え」 飛鳥も芹沢を誘って、隣のパソコンでゲームを始めた。 く、楽しそうだなキミたち……。 「ほらほら、お嬢。笑顔笑顔!」 「この状況下において、おいそれと笑えるものではなかろう」 『ゴスロリっ娘、文語調語り萌えぇぇ!!』 …………。萌えの世界は奥深い。俺はオタクだが、萌えの世界はよくわからないのだった。 しかし、剣道部にも幾ばくかのメリットがあるというのであれば、協力するのにやぶさかではない。 「お好み焼きを3枚以上買ってくれた方とは一緒にゲームで遊んであげよう」 俺のその一言で、売り上げは倍以上に跳ね上がったのだった。 撮影会の後に行われたゲーム対戦会は、案外さっくりと終わった。 無敗の女王、なんて迷惑な称号を与えられたが。 最後に、ソロプレイの鬼モードでクリアして見せると、周囲を囲んでいた人たちから歓声が沸き上がった。 「鬼モードってクリア可能だったのか……」 横で皆慈と飛鳥の目が点になっていた。 「このゲーム、個売りはしてないんですか?」 観客の一人からそんなことを言われた。 「特に考えてはいないが」 「惜しいなぁ。家でも遊びたかったのに」 その言葉に俺と皆慈、そして小山内と瀬名も喜びを隠せず、思わず四人で拳をガツンと合わせたのだった。 [*prev][next#] [戻る] |