同じ道、同じ言葉 7 ビーチバレーのチームはジャンケンで、皆慈・小山内・久野と、飛鳥・瀬名・西山の3対3に分かれた。 「ただ遊ぶのもつまんないからさ、負けたチームは勝ったチームの命令を聞くことにしようよ」 小山内がそんなことを言い出し、皆慈も飛鳥も「いいんじゃね?」「望むところだ」と火花を散らしながら言った。 瀬名は「え、マジで?」と困惑していたが、西山と久野はゲラゲラ笑いながら了承していた。 「あれ、ってことは不参加のオータは罰ゲームなしか」 西山がそう言うと、小山内は笑顔で言い放った。 「太田君は勝った方が好きにできるってことで」 うおおおい、小山内!! みんなも「じゃあ、そういうことでー」じゃないだろう! どちらに転んでもこのゲーム、俺にデメリットしかないのだが!! 「おい、審判。はやくコールくれー」 くっ……。 ゲームは異様に白熱した。 この中で一番運動神経がいいのは皆慈だと思うが、飛鳥は昔から球技がやたら得意なのだ。瀬名と久野は背が高いが、小山内はトスが、西山はレシーブが上手い。 接戦の末、勝利を掴んだのは飛鳥・瀬名・西山チームだった。 「ぅおおっしゃああ!」 「うはは、芹沢に勝った!」 飛鳥と西山がハイタッチしている横で、瀬名は「俺、後で芹沢サンに殺されねーか?」と苦笑いしていた。 「あー、このメンツなら勝てると思ったんだけどなー」 「惜しかったなぁ」 小山内と久野がほのぼのとした笑顔で皆慈に話しかけたが、皆慈は無言だった。 「落ち込むなよ。どちらが勝ってもおかしくなかったし、格好良かった。それに、死なば諸共だ……」 俺がそう言うと、皆慈は無言のままムギュッと抱きついてきた。 「あー、熱い熱い……」 小山内がニヤニヤしながらこちらを見ていた。 [*prev][next#] [戻る] |