創作な文章
1
朝起きると太陽はいつもより高い位置で爽やかに光っている。
俺の横には村でネズミ退治に飼ってる猫が丸くなっていて、とても穏やかな気持ちに・・・。
なってる場合じゃない! なんてこった、寝過ごした!
早く畑に行って水やりして、雑草とって・・・あぁ、あと収穫出来るのは収穫しとかないと・・・!
いや、違う。今日俺出発するんだ、念願の旅に出るんだった!
収穫とかのん気なこと言ってる場合じゃない・・・えーと、何をすればいいんだろう・・・。
・・・とりあえず、着替えて朝飯、かな。
ゆったりした服から動きやすさを重視した俺が狩りに行くときなどに着る服に着替えて、2階の俺の部屋からちょっとギシギシうるさい階段を下りていく。
階段を下りると誰の気配もしなかった。
テーブルに朝食と思われるパンと鍋が置いてあるだけ。
父も母も昨日来た伯母もみんな家にはいないようだ。
ちぇっ、息子が旅に出るってーのに父も母も冷たいのな。
俺はひとり寂しくイスに座り、若干固くなったパンと鍋に入ったすっかり冷めてしまったスープをすする。
何か練り込んでるわけでもなく、シンプルで特に味があるわけでもない母の焼いたパンと、
昨日俺が狩ってきたウサギにジャガイモ・タマネギ・ニンジンの入った父の唯一得意とするスープ。
すっかり食いなれた味だけど、今日からしばらく食えなくなると思うとちょっと寂しい。
特に美味しいともこれが一番好き!ってわけでもないんだけど・・・なんか寂しくなる。
食いだめでもしてやれ。俺はそう思って、明らかに2人分以上残ってるパンとスープを平らげてやった。
・・・う、なんか胃が・・・パンが胃の中でスープの水分を吸って・・・ちょっと苦しい。
とにかく、家の中には誰もいないし・・・外に出てみよう。
ドア越しに少しガヤガヤとした声が聞こえるしな。
ガチャリ、とドアを開けると村の広場に人がいっぱい集まっているのが見えた。
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