創作な文章 2 広場に向かうと村人のほとんどが集まって何やら忙しそうに準備をしている。 みんな食べ物とか持ち寄ってさ、まるで祭りの準備をしているみたいだ・・・でも、今日祭りなんてないハズだぞ。 「え、シトラス。もう起きたの!?」 母が驚いた顔で俺の顔を見る。なんか俺が起きちゃいけないみたいだな・・・。 しかも、母の驚きは連鎖するかのように、その場にわっと拡がり他の村人まで驚き慌てだした。 『まだ準備が終わってない』だの『もうすぐパンが焼けるのに』だの・・・。 どーゆーことだ・・・ホントに俺ここに来ちゃいけなかったわけ? 「あら、私の予定では昼までぐっすりだったのに。意外と魔法防御力高いのね。」 昨日と同じセクシーな格好をした伯母・・・いやお姉さんが先に綺麗な宝石をはめ込んだ杖をふりふり不満げに呟いた。 なんで俺が寝坊したことと魔法防御力が関係してるんだ・・・? 「村の人達がみんなでお見送りしてくれるんだって。」 お姉さん(自称)の話を聞くと、みんなで俺を驚かせようと俺が起きる前に準備をしていたわけだが、 俺が旅に出ると決まったのは昨日今日の話なので時間が足りず・・・結果魔法で俺を眠らせて寝坊させて時間を稼ごうという作戦に出たと。 それで、その魔法をかけたのはこのお姉さんなわけだが、俺の魔法防御が思ったより高く予定の時間より早く起きてしまい、今に至る。 ・・・うん、なんでだろう。お見送りとかすっごく嬉しいんだけど、強引な作戦にちょっぴり心中複雑。 「ねぇ、旅に出るなんて聞いてないよ! なんで私に言ってくれないの!」 急に腕を引っ張られた先には生まれたときからのお隣さんの女の子。 顔を見ると目が若干潤んでる気がする・・・。 [*前へ][次へ#] |