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1.
 

今日は平和だ

あの悪女どもは学校から消え去り、他のファンどもも、危険を察知したのか、私に近づいてすら来なくなった

昨日の夜、ひさしぶりに彰に電話をした。(彰が若干涙声でキモかった)内容はあの女3人についてで、彰の情報網はめちゃくちゃ広い。だから、彰に頼めばそいつらは一発で[地獄いき]だ。しかも、ファンの奴らが、私に手を出さないように手をうってくれたらしい。それはそれで、有り難かったんだが、
<麗さーん!鴉に戻って来て下さーい!!!>

<えっ!?麗さん!?彰!電話かわれっ!!!>

<おいっ亮太!やっやめろ…プーップーップーッ…>

とまあ、電話をブチられ、私の気分は急降下。あの後めちゃくちゃ携帯が鳴っていたが、完璧無視だ!













「おい高橋!!早く来い!!」

こんな平和なお昼どきに、私の腕をギッチリと掴む俺様野郎。別に逃げもしないのに、なぜそこまでするんだ。こいつは永遠に、私にとって理解不能な男だろう

「って、どこ向かってるんですか?」
 

「アーン!?」 

そいつはどんどんと階段を降りていってグラウンドの方向に向かっていく。今日は校庭でピクニックでもするんじゃねぇだろうな…

「フッ。お前を部室に招待しようと思ってな」

「部室?」

俺様が足を止めると、自然に私の足も止まる。前を見るとそこには一軒家のようなものがたっていた

「もしかして、ボケました?」

「ボッボケてねぇ!!」

「嫌、だってこれ家でしょう」

「アーン!?これは俺様達の部室だ」

「ぶっ部室!!??」

あー母さん。今日、私は世界の広さと言うものを知りました。部室ってこんなにでかい物なんだ…って違ぇだろ!この学校が、嫌、俺様がおかしい!

「麗ちゃ〜ん!!
…いだっ!」

いきなり羊が向かって来たので、持ち前の反射神経で奴を避ける。私の横を綺麗にすり抜けた彼は横の壁にクリーンヒットした。

「ひっひどいC〜」

「高橋先輩!高橋先輩!俺の隣に座って下さい!」

「アーン!?高橋は俺様の隣だ!」

「…ここ、いいですか?」

「…ウッス!」

「「…」」

そう言って私は巨人の横に腰を下ろすと、2人が唖然とした顔で私を見る。心の中で「ばーか」と呟くと、ソファーと前の机の高さがいい感じで、そこに弁当を置き、右端の唐揚げに手をつけた。

「なあ高橋!」

「…なんでしょう?」

「メアド交換しようぜ!」

「え?」

そう言って両手でケータイを持ち、目をキラキラさせる赤毛。こいつ、ほんとに高校生なんだろうか。

「いやで…」

「高橋さんのケータイみっけ!」



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