ハルヒ
ひろい…


いつものハイキングコースを登り、登校するのには、いささか暑すぎる日だった。
衣替えがまだなのが鬱陶しく、ブレザーの前を全開にしている。
まだ桜は咲いていないのだが、その桜でさえも、暑い暑いと言いながら今にも咲くのではないだろうか。
なんにしろ、例年より一週間あまり早く咲くだろうと言う予想がたてられている。
温暖化のせいかどうなのかは知りもしないわけだが、
昨年より暑いのは確かであり、
一年やそこらで温暖化が急に進行するわけがないわけだから、
やっぱり温暖化のせいではない、
と考えられるのではないのだろうかね。


なんてことは置いといて、まあ、とにかく暑い日だったのさ。

「暑い…」

つい、口に出てしまったとしても仕方の無いことだと思う。

「ほんと、暑いですね。」「うぉっ!?」

突然、隣から声をかけられて驚いてしまった。
まあ、古泉なんだけど。


「おはようございます。」

「ああ…おはよう。」

だが、珍しいこともあるものだな、と思った。
俺は、こいつがスポーツなんか以外で汗をかいているところを初めてみたかもしれない。
いつだってこいつは、どんなに暑かろうと、涼しい顔をしてすましていると言うのに。

「お前が、汗をかいているなんて珍しいな。」

「ええ…こんなに暑いと感じたのは初めてです。」

「…俺もだ。」

「……………今日は何かあるかもしれませんね。」

「だな…。」

「そういえば、周りの方々は僕らほど暑そうにはしておられませんし…。」

「ああ。」


暑い。


さっきよりも暑い気がするのは気のせいであると願いたい。


「…さっきよりも暑い気がするのは僕だげですかね…。」


ああ、どうやら今日は何かが起きるらしい。


「…この暑さが、涼宮さんの力によるものだとしたら、これから後、さらに暑くなっていくんでしょうね。」

「何をしたいんだあいつは…」

「さて、プールに入るのが待ちきれないとか………でしたら良いんですけどね。」

「暑さの限界を知りたい、とかだったら死ぬかもな。」

「…とにかく、危険だとかんじたら、すぐに部室に避難しましょう。あそこなら、Tシャツになったとしても何もいわれませんから。」

「…そうだな。」


今だって危険な気がするが、ハルヒの様子を見てからにした方が良いような気がするわけで、
俺はSHRにだけでも顔を出すことにした。



ハルヒは、

いなかった。



…まずいな、どうやらプール目的では無いようだ。



よし、部室に行こう。


部室に一番近い階段で古泉に会った。
こいつもすぐに来たのか。
…まあ、一人よりかはましだしな。

「こちらに来る途中で朝比奈さんを見かけましたが、特に変わった様子はなかったので、どうやらこの現象は、僕ら2人にだけ起きているようです。」

「古泉、悪いニュースがあるぞ。」

「…何でしょう。」

「今日、ハルヒは休みだ。」

「っ…」

「まあ、ひとまず部室に入ろうぜ。」

「…そうですね。」


かといって、部室にクーラーがあるわけではないので、
窓を全開にしても限度ってものがある。

暑い、暑い、暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い


「ヤバい古泉、俺朦朧としてきた…。」

「…………………ええ、僕もです。」

回答にかかる時間が、今の危機的状況を如実に語ってい…る。

ああ、どうやら本当にヤバくなってきたらしい。

意識が、掠れ、て、い、く。
消え、る……

古泉が目を閉じているのが目に入った覚えがある。















「ん…」

ここはどこだっただろうか。
そうだ、部活だ。

そうだ、凄く暑くて、

意識が飛んで、

そうか、そうだった。

俺はゆっくり目を開ける。
古泉は…と。

あれ?古泉がいない。

あれ?なんか目線が低い。
机が高い。


??
?????????!

…俺、小さくなってる!?


「『えええぇぇぇぇ!?』」

高い声。
間違いない。子供になっている。
と、さっき別の声が聞こえたが、

「キョ…キョンくん。ですよね?」

「…ああ。古泉、だよな。」

「ええ…」


目の前には美少女がいた。
古泉だとは信じがたい。


「古泉、おまえ可愛い少年だったんだな。」

「あなたこそ、子供らしい子供で可愛らしいですね。…予想通りですよ。」

「…あっそ。」


遅くなったが、俺とこいつは付き合っている。所謂恋人である。不本意ながら。

そして、こいつは変態だ。

だが、今は俺が教えてやった方がよいのだろう。

「古泉、おまえその格好は危ないぞ。」

「…ですよね。」

やつの格好。

サイズの関係で、ズボンも、………下着も、脱げ落ちていて、

ただ、またまたサイズの関係で、カッターシャツがワンピースのようになって、

かろうじて見えてない感じである。

(※イラスト参照)


女の子が男物のワイシャツをブカッと着てるときのようなエロさが…俺、自重しろ。



「…そんなこといってますけど、あなたの方が危うい感じですよ。」

「は?」

俺の格好。


古泉と同じ。


「…………。」

「あなた、シャツの下には何も着ない派なんですね。」

「ん?」

「すごい透けてますよ?」

「…なっ」


(※イラスト参照)


確かにヤバいかもしれない。

「さて、どうしますか。」

「…長門は?」

「何故か今日はお休みのようでして。」

「…。」

「…。」

「夜になったら戻るんじゃね…」

「それを祈るばかりです。」



「…キョンくん。」

「なんだ?」

「エロいですね。」

「…あほ。」

「…ショタ趣味はないんですよ?」

「変態。」

「無いっていってるんですけどね…。」

「変態。」

「あなただからですよ?」

「…。」

「キスして良いですか?」

「っ…あほかっ」

「そう、いわずに」

「バカッおまっ……んっ」


















「あほ古泉!!おまえキス長い!!」

「そうですか?…って」

声戻ってる?

視線をおろす。

……。

「古泉。」

「はい。」

「どけ。」

「はい。」


俺らの体はもとにもどっていた。
しかしながら、一度脱げていた服は着用されておらず、

つまりだ、
お互いカッターシャツだけなわけで、

何が見えたかは察してほしい。


「キョンくん。」

「エロいですよ。」

「変態が。」

「やっぱり子供よりこっちの方が良いです。」

「変態」

「あれ?今僕、どっちかというとまともなこと言いましたよね?」

「知らん。」

「ねえ、キスして良いですか?」

「良くない。」

「そういわずに…」












そのあと、エスカレートしたあいつが何をしたかは察してほしい。



1つ言えるのは、さっきまでの汗だくの暑さはいつのまにか消えていたということだ。
子供になるときに暑くなるらしかった。
そして、キスで元に戻った。




暑さは引いたのに、
顔はさっきよりも赤くなっていたことは秘密だ。













ハルヒ、おまえ、一体何をしたかった?











終わり。












ちょっとえろいのに挑戦してみました。
15くらいならいいか、とね。
だって16歳になるし。

そういう問題じゃない?

わたしもそう思います。



下手文、失礼いたしました。


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あきゅろす。
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