RE:START(男主)
新しい名前
ポケモンじいさんへとおつかいを済ませ、変わりのようにポケモンのたまごを預かった俺はヨシノシティのポケモンセンターで休んでいた。
イーブイが傷だらけだから、というのもあったが、自分の腕の処置もきちんとやりたかったというのもある。
ポケモンじいさんの時は、着ていたコートでなんとか隠せたが、博士やヨウジには隠せる気がしない。
まぁ、怪我したのはバレたとしても、ナイフを刺したまま帰るよりは良いだろう。
「コウさん。ポケモン達の回復終わりましたよ」
「ありがとう」
「それにしても、メスのイーブイは珍しいですね。この子、目の色もピンク色で他の子と違うし」
「ピンク?」
ジョーイの言葉で初めて、イーブイの目が通常とは違う事に気付いた。また、綺麗な桃色で驚いた。
「この子の名前は、なんていうんですか?」
言われて思った。そう言えば、名前を決めてなかったなと。
まぁ、種族名でも全く構わないが、それではなんだか失礼な気がする。こんな俺に付いて来てくれるって言ってくれた、大切な家族のような存在だ。きちんとした名があった方が良いだろう。
「……トウリ」
「ブイ?」
「目の色、桃色にも、李色にも、見える。だから、合わせて、桃李。どう?」
「ブイ!」
気に入ったとでも言うかのように、頭を擦り付けてくるイーブイ改めトウリの頭を優しく撫でていると、隣にいたワニノコが僕も僕もと騒ぎ出す。こうなるのは分かっていたが、相変わらず煩い。
「ワニノコは、ダイル」
「ワニ?」
「ワニって、言ったら、クロコ、ダイル、しか、思い、付かなかった」
本当は、クロコダイルって名前を付けたかったが、長すぎて俺が言えない。クロコって言うのは微妙だったので、ダイルにした。単純過ぎて怒られるかと思ったが、どうやら気に入ってくれたらしい。
「これからも、よろしく。トウリ、ダイル」
「ブイ!」
「ワニ!」
さて、後は帰るだけだ。
博士とヨウジは、どんな反応をしてくれるだろうか。そんな事を思いながら、俺はトウリとダイルと共にポケモンセンターを後にした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!