へいぼんぴえろ
こんにちは、お姫様
―次の日
僕は今、テニス部の皆さんの手から逃れるために屋上の給水タンクの陰にいます。
榊先生の事です。
きっと彼らを使ってくるでしょうね。
それにしても風が心地良いですね。
なんだか眠くなっ・・て・・・き・・・・スースー
―ダン
んっいつの間にか眠ってたようですね。
何かを囲む様に女の子が集まっていますね。
何か脅している様です。
雰囲気からすると3年の先輩方ですね。
死角になって向こうからは僕の事は見えないみたいです。
遠くて此処からじゃ何を言っているか聞こえません。
声をかけてみましょうか。
「何をなさっているのですか先輩方?」
声をかけられた先輩方は驚いたように顔をあげる。
―ピロリロリン♪
すかさず携帯のカメラのシャッターをきる。
先輩方は一目散に逃げて行った。
―トン
「大丈夫ですか?」
蹲っている少女に優しく声をかけ、手を差し出す。
驚いたように少女は顔をあげる。
緊張が解けたのか少女の顔は今にも泣きだしそうだった。
僕は少女をそっと抱き締める。
「無理をしなくても良いですよ。今まで辛かったでしょう。良く頑張りましたね。」
優しく少女の頭を撫でながら、言い聞かせるように言った。
少女は何かが吹っ切れたように泣き始めた。
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2009.6.4.
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