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■耳から始まる恋もある!
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「ど、どうしよー、バレたかな?気持ち悪いって思われてたら…どうしよう、キョー。」

「…全く、相変わらずおバカだね。」

キョーはそう言って、グシャグシャと俺の頭を撫でた。

そして、そんなこと言っても仕方ないでしょ、と一言。

そうだよなぁ…と一つ頷いた俺に、キョーはため息をついて、あの人に聞いてあげるから…と俺を宥めた。

あの人…つまり例の怖い人。

キョーの幼馴染で、恋人。

風紀委員長なんて肩書きの、キョー溺愛人である。

キョーに何かあったら、烈火のごとく怒り狂うだろうことは容易に予測でき、風紀委員長としての実力も相まってキョーに手を出す人間は存在しない。

俺は取り合えず、会長が好きなことと、友達ということで容認されているが…。


そして、風紀委員長は唯一、会長が気を許し、砕けて話す人間なのだ。


「…それとなく、聞いてもらうから、そんなに落ち込まないの。」

「…うん、ありがとー。」

「ほら、これ。」

そう言って差し出されたのは先程とは味の違うパン。

「?くれるの?」

「もともとヨイチの取ったの俺だし。おやつはまた買いに行くからいい。」

「…ありがと。」

俺はキョーの優しさを噛みしめながら、もそもそとパンを口に運び、次の授業に備えたのだった。


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あきゅろす。
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