serial story
2
次の日、目が覚めると日は既に高くに昇っていた。
俺が身の回りの支度を終えて神谷道場の門を潜るころは、既に昼時の時間は既に過ぎていた。
これは昼飯は望めねぇな、と心の中で呟きながら勝手に庭先に足をのばす。
そこには見慣れた剣客の後ろ姿。
「よぉ、剣心。」
俺は陽気に声を掛けた。
「おろ、左之。」
剣心も陽気な返事を返してくる。
「一応聞くけどよ、俺の分の昼飯、ねぇかな?」
「来て早々、それでござるか。」
剣心は少し呆れたような声色。
でも、やさしい笑顔を俺に向け、簡単なものでよければ作ってくるでごさる。と言って、台所の方へ足を向けた。
俺はそんな剣心に感謝の意を意を述べ、縁側へと腰を下ろし、その場に寝転がる。
この季節の空は少し、どんよりとしてる。
春でもなくて、かといって夏ってわけでもない。
6月・・・。
俺的には春っていうのは、優しい雰囲気を漂わせた包み込んでくれるような空。
夏っているのは、カラッとした空気を風が運んでいて、でっかい入道雲が浮かんでいる空。
でも今、この時期の空は、どんより重たい空気とはっきりしない、何かモヤモヤした空。
この微妙なところに位置している季節に名前はないのかな?
そんなくだらないことをぼんやり思いながら空を見つめる。
今日の空も、気に食わない面をしてる。
早く、夏になれば良い。
俺は、夏の空が好きだ。
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