serial story 1 何か、今日はどっと疲れた。 体力的というよりも、何て言うか精神的に。 やっぱり、ふだんから慣れてないことするもんじゃねぇな。 長屋の部屋の一角にある小窓から空の様子を眺める。 辺りはすっかり暗くなって、空をみれば綺麗な月が輝いていた。 俺は薄っぺらい布団に寝転がり今日の出来事を思い返していた。 今日はまず何をしたんだっけ・・・。 あぁ、そうだ。斎藤に傘を返す為にあいつんとこに行こうとして、そしたら剣心にあって、話して、あいつんとこに着いて、傘返したら返されて、張に会って、疲れて、そのまま長屋に帰ってきて、気が付いたら今になってた。 何か、不毛な1日だな・・・。 まぁ、毎日似たようなもんだけど。 今日1日、振り回されてばっかりだったなぁ。 剣心にも張にも。 特に斎藤・・・。 そう言えば、何で斎藤あんなに怒ってたんだ? 張が来るまで、何ともなかった・・・何ともなかったっても、あいつはいるだけで気迫があるんだけど。 でも、明らかに何か・・・ まぁ、良いか。 もう、面と向かって話をすることもないだろうし。 あのあとの張がどうなったかは、少し気になるけど。 ・・・・。 あ、そうだ。 明日は剣心のとこに文句言いに行こう。 斎藤は俺なんか狙ってなかったって・・・。 剣心があんなこと行ったお陰で、俺はいらねぇ心配して、逆に赤っ恥かいたんだからな。 ついでに、飯もたかって、弥彦でもからかって遊ぼう。 ふぁ〜ぁ。 俺は大きな欠伸ひとつ出して、そのまま眠りに墜ちた。 [次へ#] |