serial story
3
俺には気づいていなかったみたいだ。
まぁ、気付かれたところでどう対応すれば良いかもわからねぇけど。
それをぼんやり見届けたあと、俺は嬢ちゃんのところへ行って、昼飯をたかった。
もちろん【剣心作】の昼飯だ。
剣心が作った飯が食いたいと言ったら、嬢ちゃんに殴られた。
皆の心の声を代表して言っただけなのに、これはないだろう。
弥彦を横目でみたら、目が合った。
良くやった。
と目が言っていた。
ほら見ろ、俺は何も間違ってない。
それを食べ終わってから、街中で斎藤をみかけたことを剣心に話した。
「そうでござるか。拙者も何度が見かけたことがあるでござるよ。」
「そうなのか。」
俺は差し出されたお茶をすすりながら、ふぅ〜ん。と剣心を横目に見た。
その表情は穏やかで、とても宿敵のことを話しているとは思えない。
何でそんなに優しい顔でいられるんだろう。
宿敵相手の話なのに―――。
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