serial story
2
警視庁の密偵としての印象が強かった斎藤の今の姿は俺にとって違和感を覚えさせた。
街中を普通に巡回している警官としての斎藤一。いや、この場合は藤田吾郎というべきか。
最初に出会ったときのように帽子は被っていなかったが、制服の前のボタンをきちんと締め、あのギラつく眼はうかがえない。
俺は、歩いてく斎藤を眼で追う。
斎藤を見かけるのはいつぶりだったか。
確か・・・雪代縁の事件以来だ。
あれ以来だから・・・、2ヵ月ぶりぐらい、か?
俺は密偵としてのあいつしか知らなかったせいか、街中をちゃんと巡回している斎藤を見たとき
『あいつって普通に警官なんだな・・・。』
と、たぶんそれなりに失礼なことを思った。
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