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気に入らない泪
阿伏兎は同族を殺さない。
戦闘に置いて自らの命を引き換えにしてまで殺めない訳では無い(自惚れじゃないが俺なら喜んで殺されてくれると思う)が、極力は殺したくないと言う。
本人曰、夜兎の血を愛でてるだとか、逸材を消すのは勿体ないだとか、そんな理由だった。俺の時も、神楽の時も。
だから、俺はまだ阿伏兎が夜兎を殺めた現場を見たことがない。稀に任務の際に夜兎と巡り合わせになることもあるが、大抵は俺が殺してた。阿伏兎は「ああ、数少ない同胞が…」とかグチグチ言ってくるけど気にしたことはない。阿伏兎は夜兎は夜兎でも、俺だけ見てればいいんだもんね!
…じゃなかった。だから、阿伏兎が夜兎を殺める姿が見たいと思ったって、不思議じゃない訳で。またまた任務の敵方さんに夜兎が居たから、今回は阿伏兎に任せたのも当然で。窮地に追い込まれて、殺すしか無くなるように邪魔したって許されるよね?
だって、阿伏兎が俺に見せたことない面があるのがいけないんだ。



「……団長か」

足元に転がる元同胞を見下ろしながら、気配を察した阿伏兎が俺の名を呼ぶ。残念ながら背を向けられているから表情迄は見えない。笑ってるのか、狂喜に満ちてるのか…はたまた何時もの無表情か。

「あーあ、阿伏兎の嫌いな共食いしちゃったね。どう?久しぶりの夜兎との殺り合いは」

本当は顔を見たくてウズウズしてる。
けど、平常心平常心。変に勘の良い阿伏兎にウズウズを悟られたら、せっかくの表情を無表情の下に隠してしまうかもしれない。

「どうもこうも無ぇよ。あー、殺っちまったなー位にしか思いませんよ」

「あははっ、嘘が上手だね。阿伏兎は……じゃあ、なんで」

一歩一歩近付いて、隙を付いて前に回り込む。背後からでも分かる地面に零れる透明な何か。

「なんで、泣いてるの?」

その涙は何に対して?

「ただの欠伸です」

亡くなった同胞に向けて?

「嘘つき」

それとも減り行く全ての夜兎に?

「たく、ほっとけスットコドッコイ」

まぁ、なんにせよ。

気に入らない泪
(鳳仙の旦那が死んだ時も、路地裏で泣いてたなんて言わないよね?)


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なにが書きたかったか途中で見失ったとか、そんn((m(_ _)m

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