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「私は生きているお前が羨ましいがな」

「マラコーダ上官。」
「スカルミリョーネ。」

強いめに言葉を放てばそれを理解したのか、すみません。と一言付け足した。嫌われてるのか、なんて思考が走る。確か、昔からこういうやりとりばかりだ。

「ゴルベーザ様が呼んでられます。」
「解った。」

私はゴルベーザの部下であるが、スカルミリョーネ達の上官でない、ならば同僚といい代えるべきか、考えたが浮かばず。シュトラールの妙案のお前が思うならいつか叶う論に行き着いた。

「なんだよ、その、お前が思うならいつか叶う論は」
「文字通りだよ、願えば叶う。必ずな」

私は弟に会いたかった。願えば、私にはマラコーダという足を得て年に一度会いに行けている。願えば叶ってるだろうが。なんて帰ってくる。

「お前が羨ましいよシュトラール」
「私は生きているお前が羨ましいがな」

一を言えば十を返すな!なんて悪態をつきながら、マラコーダは頭を抱えた。
まさか、こんな馬鹿みたいな女だったとは。所々不思議な所があったが、まさかこんな奴だったとは。

ひっそりため息をついて、マラコーダは、呼び出し先に到着した。

「シュトラール、一回締め出すからな、ごるびーちゃん、入りますよ。」

扉の向こうの人の気配に気付きながら、控え目ノックを二回。入れ、なんて声がかかるのを待った。待てども返事がない。仕方ないからしばらく待って、ドアを開けた。
女の悲鳴と怒鳴り声でマラコーダは気がついてシュトラールを閉め出しててよかったと思う。こちらが閉め出してしまえばシュトラールは見えないし聞こえない、マラコーダには仕事内容がばれない為にいつもこうしているが、早い目に締め出して良かった、と判断を下した結果だった。

「ごるびーちゃん。」
「………………」

声をかけても、返事がない。こちらに気がついていないようだ。

「ごるびーちゃん、」
「マラコーダか。」
「スカルミリョーネから、用事があるから、と聞いていましたが。」

そっと、ゴルベーザの後ろに視線を逸らして聞いた。

「彼らは?」
「カインだ。私の術で操っている、それと捕虜だ。」
「セシル・ハーヴィの仲間、か?」
「再会の約束としてな」

だから呼び出した訳か。なんとなく、否すぐに理解した。女の面倒を見ろと、いいたいのか、ゴルベーザ。

「はいはい面倒みりゃあ、いいんだな」




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