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お前は、今どこで何をしてますか。

暗い世界に、明るい空。様子をみていたが、目的はわかった。彼らはクリスタルの奪還を計るため敵陣であるバブイルの塔に入り込む。目的さえ解れば、後は容易い。仕掛けて落とすだけだ。クリスタルがどうじゃない、仲間が減るのが嫌なんだ。と言い聞かせ、入口、それから途中途中に罠を仕掛けながら、シュトラールと会話に勤しむ。

「マラコーダもサメラ嬢に毒牙を抜かれたんですかね」
「ぁ?」
「仲間が減るのが嫌、だなんて。らしくないじゃないですか?」

言われてみればそうだ。孤高を貫いていたはずなのに、どうしてだろうか。考えたが浮かばず、沈む。

「さぁ、暫くの仕事は奴らが罠にひかかるのを見る事だ。持ってかれちゃあかなわん」

る首を回せば、ぱきりぱきりと首の根から音が鳴る。疲労は溜まっていたようだ。

「あぁ、めんどくせェ」
「とかいいながら面倒見のいいのは誰やら」
「なんか言ったかシュトラール」
「なんでも」

クスクス笑う声が、妙に心地良いような気がして小さく笑った。

「ほら、奴が来やがった。」

にぃ。と口角を上げて、ひぃふぅみぃ。と数え上げれば、一人しかいないことに気付いて、そっとそれの背後に周り声をかける。

「何をしているのかな?武神事変-Satellit Reacter-」
「…マラコーダ。」
「一人ですかな。お嬢さん」
「ほっとけ」
「それがほっとけない。ゴルベーザから命令が下ってまして。」

にぃと上がる口角は、尚も不気味さに輪をかけた。サメラは揺るがずに、そのまま一言二言放ち逃げ出した。

「俺は監視だし、知らね」とシラを切るように欠伸をひとつついた。

「大丈夫、彼女は強い。」
「そして脆いのも知ってるでしょう」

笑う声を聞きながら、マラコーダは眉を寄せて、ため息をついた。

「世界は地獄だな」
「そうですね」
「幸せなんてありゃしねぇ。シュトラールお前は幸せだったか」

毎日生きるか死ぬかの戦いでしたから、なんとも。なんて呟く姿を考えて、マラコーダはため息をついた。

「寝る」
「はいはい、」

そう言って、マラコーダは奥に引っ込んで、シュトラールが表立つ。
もう、あなた。って人は。どうして、そこまで見透かすような事ばかり、言うんですかね。異形をした私を、家族だという人はいない。

「カイン。」

お前は、今どこで何をしてますか。
舌に乗せた音は、轟音に飲まれ消えた。



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