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お菓子か悪戯か。trick or treat！カイン
「トリックオアトリート」
「カイン、お前の口からそんな行事名が出るなんて、熱でもあるか？」

慌てたようにサメラはカインの額に手を当てて熱がないかを確認した。熱は無いようで、ついに狂ったか。と言われて、カインは不機嫌そうに唇を尖らした。

「この時期に姉さんによく菓子をくれたな。と思い出して」
「だから、口ずさんでみたと。で、シュトラールはなにを作っていた？」
「姉さんは、…その、プリンとか」
「…３０越えた奴が頬を赤らめて何を言うかと思えば…プリン…」

予想斜め上の行動にサメラは腹を抱えて笑った。この男、予想外すぎる。いい体格した野郎が恥ずかしそうにプリン…だなんて。

「おい」
「す、すまん。なんか、捨てられた子犬みたいな状態だったので…はははは」
「で、答えは貰えるのかサメラ」
「あー。明日の夜になら作るが。」
「つまり、ないんだな。」

…やばい。サメラの思考が一瞬にしてみれば切り替わった。明日は模擬試合がある、早く寝なければ体が持たん。
身の危険を察知したサメラは、逃げようとしたが虚しく、腰を抱かれカインの上に座り込まされるはめになった。

「…明日は模擬試合だから、解っているだろうな」
「起きられないようにして、やれば不戦勝で俺の勝ちだな」
「おいこらまて。」
「いつからお前の勝ちになった！」

鳩尾に一発喰らわせようとしたが虚しく空振りし、その腕を絡められ、サメラは唸る。ほら落ち着けと頭を撫でられ、サメラの声が低くなった。

「で、菓子か悪戯か、どちらだ？」
「仮死ならくれてやる」
「下肢？」
「字が違う！」

お菓子か悪戯か。
trick or treat！
(ないなら、お前に悪戯してやるからな)(したら、男としてつかいものにならんようにしてやろうか、性騎士)(…悪戯に悪戯で返すか？普通)(やられたら３倍返しだ、キャラバンの鉄則)(今、それを当てはめるな！)(で、どうするんだ？)(…お前が言うと説得力あるしな…)(本気でやると思ってるのか？)(やるだろ、やるだろお前は)(折るだけだ)(お前本気でセシルに似てきたよな)(誉めても双子だし、似るだろ)(いや、誉めてない)(…トリックオアトリート！)(いきなりどうした？)(ないのか？あるのか？)(ないが、)(ホールド★)(待て、待てサメラ、何をする！)(最高の地獄を見せてやろうと思って)


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あきゅろす。
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