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「へ?セシル、何か言いましたか?」
「な、お前何?」
「私、道化のクランと言います。以後お見知り「ダムシアンで会ってるよ」そうでしたねぇ、」

私としたことが、うっかりしていました。手をパンと叩いて、そうだったそうだった。とおどけたように笑い、赤い飛空挺に乗り込む。

「落ちないように気をつけてね」
「そんなうつけのような事はしませんよ。」
「そうだ、君の名前はなんと申しますか?少年。」

屈んで、魔導師と同じ視線になれば、へへん。と鼻を掻いて、胸を張った。

「俺はミシディアの天才魔導師のパロム様だぜ。」
「天災?ですか。」
「違うっつーの。頭のいい天才!」
「そうでしたか、パロムさん。そちらのお顔のよく似た方は?」
「はじめまして、ポロムと申します。」

お嬢さん、お坊ちゃん。私をお好きにお呼びくださいな。深々礼を一つすれば怪訝そうな目を向けてパロムが言い放つ。

「姉ちゃんと同じ臭いがする。仮面の下、ほんとに病気の跡か?」

人の嫌がることを言うな。と散々言って聞かしたのに、次サメラとして会ったら説教だな。と考えた。

「クラン着いたよ。」
「あぁ、解った。」

背中のホルダーにカードを装着して頭をすっぽり焼き切れたローブで隠してタラップを降りた。

「嬉しそうだね。」
「行ったことのないダンジョンは心躍らないか?」
「サメラみたいな事を言うんだね。」
「うちの三番目の魔術師-Maniac Replica-の教えを真に受けてますから、みんな。」

全力で楽しめと教え込まれてますからね。 戦いならば全力で叩き潰し、ご飯は愛を持って。そう教え込まれてますもの。

「ほんとサメラみたい。今度バロンに二人で遊びにくるかい?」
「わたしはサメラとはあまり仲は宜しくないので。」

というか無理だから。と小さく突っ込みを入れた。同一人物が同じ時間に違う姿でなんて無理だ。出来るわけがない。

「仲良くないの」
「えぇ、彼女は私と犬猿の仲ですので。」

おっと扉ですね。鍵は掛かってなさそうですね、あけますよ。指差した先は鉄製のドア。そうだ、このダンジョンは。

「魔物がで「へ?セシル、何か言いましたか?」」

魔物が出る!と言いかけた刹那、クランが勢いよく足蹴にしたドアは歪な足形を残し、崩壊した。

「建て付けが良くなかったんでしょうね。先に行きましょうか。」
「あぁ、うん、」



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あきゅろす。
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