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一つ。私の話を聞いてほしい。

「適当に座れ。」
「人払いよろしくね」

サメラは少年に。
セシルは兵に言葉をかけて、少年に椅子を進める。セシルは呑気に、少年分の茶を用意しだす

「早速本題だが。」
「かぁちゃんを返せよ!ユアン。」
「…母?」
「お前が村を焼いたから、お前が出てって、爺ちゃんが消えて、昔の火災で父ちゃんも焼け死んで、母ちゃんもこないだ、姉ちゃんも笑わなくなった。全部テメェの所為だよ!シーフェス!」

ガタンとサメラと少年の間に置かれた机が鳴った。叩かれた机をじっと見つめると、すこし拳型に凹んだ傷が見える。

「で、ガウェイン。復讐ならば私は止めない」
「サメラ。」

復讐は好きにすればいいが。奪った後を考えた事は考えた事があるのか?。そいつの、命を奪い奪った奴の分まで逞しくいきるのか。生きることは苦しいことだが、それだけではないだろうがっ。

吐き出した言葉を、乱暴に止めて、サメラは深く息をすった。落ち着かせるために、そして一つ言葉を放つ。

一つ。私の話を聞いてほしい。
これは私の昔の話だ、ガウェイン。お前が信じるも、信じないも、お前の物差しで計れ。必ず、お前のでな。


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