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最初から無かったのかもな。

「それは、どの子でも変わらない。」
「じゃあ、みんなは何て呼んでたの?」
「…だれだれさん家の一人目二人目だな。」

私には、家族がなかったから、村長さん家の。が冠ついたがな。

「普通の子は。12になれば親から、真名を渡され、一人の人間として扱われる。」
「…なら、サメラ。」

そう、私には、真名を渡される前にキャラバン…三番目の奇術師-Maniac Replica-に行ったからな。まぁ、町長も魔物だったし、人柱になるぐらいだから、真名なんて、最初から無かったのかもな。
サメラと言う呼称も、団長がとりわけ気に入ったからずっと呼ばれ続けてただけだ。

「これは仮の名前。ずっと探してたが。町は無くなったんだ。ずっと仮のサメラのまま。探す事も諦めた。」
「…サメラ。町長が魔物って」
「ま、ベイガンの逆バージョンみたいな奴だ。山の巫女だのなんだのいいつつ自分がいままで食ってやがったんだ」

知ってしまったから、選ばれたんだがな。未だに残る粗方の傷も、町でついたものだ…さて、来たようだな。

サメラの目つきが仕事モードになった血色の悪い顔が尚も悪くなったのであった。

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あきゅろす。
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