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捨て子ヨンファ!

謁見の間に、兵士によって連れて来られたのは、年もそこそこ…隣の国王の子息より少し幼いぐらいだろうか…誰かの息子か?と思うような少年であった。サメラは視線を少年から外して記憶を探れど、子をなす知り合いも、ここまで大きな子を持つ知り合いもいない。
誰だ?と思考に入った刹那、怒号が飛んだ。

「…?…」
「捨て子ヨンファ!貴様ァアア!」
「サメラ。」

少年がサメラに真っ直ぐ駆け込んでくるのが伺える。そんな少年の手元に鈍く光を放つ獲物が見えて、サメラの中でスイッチが入った。
迫り来る少年に向かい走り、少年の肩に手をついて空に逃げ、背後を奪い地に伏せさせた。離せだのなんだのと騒ぐ以前に、少年の放った言葉に、サメラが驚かされた、

「おい。お前、今、なんて言った?」
「サメラ無事かい?。」
「泣き虫ユアン離せェ!」
「答えろ。お前は、あの町の生き残りか!」

…いや、生き残りにしては幼すぎる。では、何故知ってる?。
様々な思考がサメラの中で一気に駆け抜けていくのであった。

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