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久々に王の威厳が見えたような。

「サメラ。大丈夫かい?」
「あぁ。平気だ。……っ…」

視界が一瞬暗くなって、しめたと、少年を掴んでた腕がふりほどかれる。少年の手に捕まれていた銀色の刃が突き刺さる。

「サメラ!。」
「…ったく。気が済んだか?人を刺して。」

鎧を着込んでいなかったら死んでたぞ。と平然と放ち、少年に固定魔法を唱え、腹部に刺さるナイフを抜いた。
鎧の隙間に刺されて、傷口も僅かにできた程度だ。これならすぐに治るだろう、と思えた。毒さえ塗られてなければ、の話だが。

「サメラ、怪我は?」
「一週間あれば多分治る。…固定魔法解除したら速やかに少年の武器がこれ以上ないか確認した後に、私の部屋に連れてくるように。」
「サメラ。」
「セシル。話しておきたい話がある。この少年と私の共通点について、だ。」
「それは構わないけど、怪我したんだから絶対安静にしてね。」

君の執務室で話そう。とテキパキと指示をセシルが出して、強制的に抱き上げられて、部屋を出て行ったのであった。久々に王の威厳が見えたような見えないような。複雑な気持ちでサメラはセシルに身を任せた。

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