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05-07



「なあなあ。どうして俺達、呼び出し喰らったか知っているか?」

「わっかんないんだよね。私……生徒会室に来てくれって言われただけだし。ハジメは分かる?」

「同じく来てくれって言われただけだからなぁ」

「そっかぁ……うわッツ!」

横から胸倉を掴まれた! 嫌な予感がするぜッ。
顔を上げれば、青筋を立ててメッチャ苛々していらっしゃる……。


「ゴラァア。覚悟はいいかクソ地味野郎が」


嗚呼、やっぱりお前か、タコ沢。 

「た、タコ沢さん。いっやぁ、これまた奇遇」

「谷沢ダァアアア! ふっざけるなよケイッ、テメェ表に出やがれぇえええ!」

「ちょぉおおお、い、今ぁああ?」

俺、貴方様に沢山恨みを買うようなことをしたような気がしないでもないですが、このタイミングで喧嘩を売られますか? このタイミングで?!

容赦なく人を引っ張り立たせようとするタコ沢に落ち着くよう宥める。 

「なんでそんなに怒っているんだよ。俺、何かしたか?!」

「過去を振り返れば腸が煮えくり返るが、今日ほど腹立つことはないぜゴラァア! テメェのせいで俺まで呼び出し喰らったんだぞ!」

「お、俺ぇ? 何で呼び出された理由知っているのか?」

「俺が知るかぁああああ! けどテメェ等舎兄弟がいる時点で、貴様等が元凶だっつのは分かる! よくも俺を巻き込んでくれやがったなぁああ!」

ンだとコラ!

そっちだって俺を散々巻き込みやがったじゃないか!

確かに巻き込んだこと多々あったような気がするけど……とにかくタコ沢のクセに吼えるな! お前なんて、黙って弁当のおかずにでもなっとけよ。タコ沢印のタコウインナーとかさ。

「誰が弁当のおかずッ、タコ沢印のタコウインナーだぁゴラアア!」

「ッ、し、しまった口が滑っ」

どうやら思ったことを口に出してたみたいだ。いつもはしないヘマをしちまったよ!

嗚呼、やっべぇ、俺の胸倉を掴んでらっしゃるタコ沢さまの怒りが上昇している。

俺は愛想笑いを浮かべて「なーんちゃって。てへ」と、俺なりに可愛らしく舌を出した。

「や、ヤダなぁ。たこ、いや谷沢さん。ジョーダンだって。マイケルジョーダン。田山圭太が言ったジョークだから圭太ジョーダン。なーんちゃって。てへてへ」

「貴様ッ、それ以上なんか言ってみやがれ! ぶっ殺すぞ!」

「ごごごごめんって! そんなに怒るなよ!」

見事に俺はタコ沢の怒りを煽ってしまったようだ。

俺ってタコ沢の怒りを買うの上手いな! さすが俺、じゃないッ、俺のバカチーン!

息苦しいくらい胸倉を掴んでくるタコ沢に愛想笑いを浮かべていると、弥生が助け舟を出してくれた。


「タコ沢! 今のジョーダンは笑うところ! 空気読みなさいよ!」

「笑えるかぁあああ!」


ははは……助け舟じゃなくて、煽り舟を出してくれたな。弥生。

おかげでタコ沢の怒りがツーランク上がったぜ。俺達のやり取りにハジメが笑っているし。笑っている暇があったら助けろってハジメ。

しかもなんでヨウやワタルさんまで笑っているんだよ。いつから俺達のやり取りを見てたんだよ。


「やっぱケイは何かしらヤラかしてくれるよな。さすが俺の舎弟」

「だーかーらー、からかい甲斐もあるんだよね〜ん」


どっちも嬉しくねぇ台詞をどーも! どっちでもいいから、タコ沢から助け出してくれないか?! 俺、いつタコ沢に殴られるかと思うだけで汗が噴き出るんだけど!

タコ沢のガンから逃げながら、心の中でめちゃめちゃビビッていると大袈裟な咳払いが聞こえた。俺を色んな意味で助けてくれたのは、俺達を呼び出してきた須垣先輩だった。



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あきゅろす。
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