Parallel
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よりによって、アレは総長のもの。
しかも、さっきの様子を見る限り、今迄に類を見ない『お気に入り』だ。
最中に入った事を咎められたのも初めてなら、あんな風に、見る事さえ許さないとばかりに隠されたのも初めての事。
『お気に入り』なんてチープな言葉じゃ、相応しくない位の執着を垣間見た。
……だが、それでも、あの気紛れな総長が、そう長続きするとも思えないし、飽きる日も、いつかは来るだろう。
そしたら、あの子はオレがもらえば良い。
「……………。」
………駄目だ。
だって、ソレはいつ?
いつになったら、オレはあの子をオレの…オレだけのものに出来る?
いつになったら、抱けるんだ?
……いつ、だ?
こんな狂った衝動を抱えたまま、じっと待つなんて不可能だ。
その時が来る前に、オレが狂う。
なら、考えろ。
どうすれば、手に入れられるか。
どうすれば、オレの腕の中に、墜ちてくるか。
「……………ああ、抱きてぇ。」
ポツリ、と呟きながら、オレは、
そういえば、あの子の名前は何というんだろうか、と考えていた。
一目で、墜ちた。
それを欲と呼ぶか、恋と呼ぶかなんて、
どうだっていい――。
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