Others
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「もう二度と、プライベートでアイツに関わるな。」
一片の温度も感じないような冷えきった声音が、淡々とオレを断罪する。
彼を信じきれなかったオレには、その資格は無いのかもしれないが…それでも頷けない。
オレは彼に会いたい。
そして、
「…謝りたいんだ。」
擦れた情けない声で、オレは食い下がった。
そんなオレに花菱は、侮蔑の視線を向けた。
「何をだ?…ソイツを抱いてすみませんでした、とか?」
「!!!」
ソイツ、と副委員長を顎で指す花菱に、オレは息を詰める。
嫌な想像に、背筋を冷たい汗が辿った。
違う、そんな筈無い、と否定しながらも、
それならば別れを切り出された理由に説明がつく、と絶望の中思い至る。
「…クソが。汚らわしいのはテメェらだろうが。つまんねぇモン月村に見せやがって。」
吐き捨てるような言葉に、最悪の予想は肯定されてしまった。
月村、月村、月村…!!!
オレは君を、最低最悪の形で裏切ってしまった…!!
「…ぅあ、ぁあああっ!!!」
喉の奥からせり上がってくる狂気。
オレは吠えるように慟哭した。
愛しい彼を、もうこの手には取り戻せないんだ、と、オレは死にたいくらいの後悔が押し寄せる。
「風祭様っ!!!」
「触るな…!!!」
「…っ、」
「…触らないで、くれっ…!!」
駆け寄ってきた副委員長の手を拒み、オレは己の頭を抱えるように咆哮した。
分かっている。
これはオレの自業自得、副委員長だけのせいでは無い。
…それでも、
オレから月村を奪った彼を、憎みそうになってしまった。
今触れられたら、オレは何をするか分からない。
「…そうやって、苦しめ。謝って許されようなんて、甘ぇんだよ。……………………アイツはもっと、痛かったんだ。」
花菱の断罪を受けながら、オレは自らの愚かさを呪った。
柔らかに笑む彼が、遠ざかる。
月村、
オレは君を大切にしたいと思った。
甘やかして、愛しんで、
誰よりも幸せにしたいと思っていた。
…おこがましいな。
結局は、
君との信頼関係も、
愛しんでいた恋も、
オレの臆病な心が、壊したんだ。
(素直に、ただ真っ直ぐに、愛している、と言えばよかった。)
(君が――そうしてくれたように。)
END
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